読書日記(7)「小さい会社の人事評価制度の作り方」(山元浩二著)
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◆人事評価制度に抱いていた思い

人事評価制度についての思いは、私が県職員だった時代は、正直人事評価制度に対しては「評価をされる側では、どうせ評価なんて適当にされているものなので、苦しいなか頑張ったって正当に評価もされないし、評価が良くても悪くてもそれが特に影響しない」と思っていました。

また、評価する側では短期間に多くの人を評価しなければならないので「正直良く分からない、それも6か月間どんなことがあったかなど覚えていない、まあ期限に間に合うように第1評価者の評価を見ながら評価しよう」という程度でした。とくに、課長の場合2~3日に20人程度評価しなければならず、正直大変でした。

◆社労士として民間企業の社長や人事担当の方と話してみて

社労士として民間企業の経営者や人事担当の方と話をしてみて、後継者の育成や社員の人材育成に課題を抱えておられる会社が多いと思いました。

人事評価制度を持たれている会社でも、評価に不満を持っている社員が多い、幹部社員の育成ができていない、社員の働きと給料での評価がマッチしていない。などのお話を聞きました。

人事評価制度を見直す必要があるがどうしたら良いか分からない、などの話をされる方もありました。

その様なときたまたま、オーディブルでこの本を聞いて、購入しました。

◆ビジョン実現型人事評価制度の目的とは

山元浩二さんの「人事評価制度の作り方」という本は、

◇単に給料の上げ下げやボーナスの支給額に反映するために人事評価をするのではない。

◇人事評価の目的は社員教育であり社員が成長することで会社が成長し、究極の会社の生産性

 をあげみんなが豊かになること、ということでした。

◇そのためには、会社が10年後にはこうなりたいというビジョンを明確にし、具体的な数値目標で表し、それを達成するための戦略を明確にし、それを実現するために必要な人材レベル、現状の人材レベルを分析し必要なレベルアップなどを1枚の紙にまとめる。

◇さらに、会社のビジョンを実現するため取り組むべきことを人事評価基準として職位、職種ごとに定める。

◇人事評価の運用に当たっては、幹部職員が社員のキャリアアップ面談を毎月実施し、チェレンジ目標を設定するとともに、達成に向けてのアドバイスや実績の評価を行うプロセスを繰り返す。

と言うものでした。

◆言うのはやすし、行うは難し

会社において人事評価制度の構築、運用は大事な仕事ですが、緊急を要する仕事ではありません。したがって、社長、役員、幹部社員、現場の社員誰も皆忙しいので、人事評価のことは後回し、先送りになりがちです。

ただし、会社が成長し、社員が成長するためにはとても大切なことです。特に中小企業が大企業と比べて弱いのは、人材を育てる仕組みがない、会社のビジョンを描いてそれを実現に導く組織マネジメントの仕組みが弱いというところがあります。

ビジョン実現型人事評価制度は、人事評価という名前がついていますが、中小企業が大企業に劣っている、人材育成とビジョン実現のためのマネジメントを進める仕組みです。

実行に移すには社長の強力なリーダーシップが不可欠だと思います。

人事評価システムの構築、運用支援について

大手のコンサル会社などが、人事評価のシステムのクラウド導入と併せて導入支援を行うサービスを行っておられますが、1年6か月ほどの経費が500万円程度かかるようです。

それだけ出しても、会社として継続的に成長し、後継者も育成できるなら安いものということだと思います。

社会保険労務士は人事労務の専門家なので、法律分野ではありませんが、勉強して会社を支援することができれば、私の業務の範囲も広がると思いました。

現在勉強中ですが、私が支援する会社と一緒にこの本の理念に沿って、ビジョン実現型人事評価制度を導入、運用できたらと思いました。

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