パワーハラスメント防止の仕組みづくり

◆法律で義務化

労働施策総合推進法において、令和4年4月から中小企業も含めてすべての会社でパワーハラスメントについて体制を整備すること、パワーハラスメントの事案に対して迅速適切に対応することが義務とされております。

これは、努力義務ということではなく実施をしていない会社に対しては、労働局が調査に入って指導を行うことも規定されています。

具体的には、労働者が会社内でパワーハラスメントを受けているのに、会社に相談窓口がない、相談しても何も対応してくれない、あるいは就業規則も整備されていないというような状態で、労働局に相談に行き、「報告の請求」という申し出をされると、労働局が調査に入り会社に対して指導を行うと言うものです。

◆会社での対応はどうなのか

就業規則を改正して相談窓口を設置するという規定上の整備は行われている会社が多いと思いますが、それ以上のことはされていないというのが実情ではないかと思います。

私が関係している会社では、就業規則の改正は国から就業規則改正のひな型など示されているのでそれにより改正をして届出を行えばよいので対応しているのですが、それ以上のことは自分たちだけではできていないというのが実情でした。

従って、どのような言動がパワーハラスメントに当たるのかについても、社員の間では認識されておらず、いざパワーハラスメントらしき事案が起こってもどうしたらよいか分からない、周りの社員も傍観するだけという状況であったと想像されます。

◆パワーハラスメント防止の仕組みづくりを支援

私が関係している会社で、ハラスメント防止の仕組みづくりをお手伝いすることになり、その提案や打ち合わせを行いました。

具体的には下記のようなメニューにより、①パワーハラスメントらしき言動があったときにそのことを注意できる会社にする、②パワーハラスメントの加害者を処分できる会社にする、③そのための仕組みづくり、社員の研修・啓発を行う、と言うものです。

➣ハラスメント対応の現状・課題を確認し、目指すべきゴールを設定

 必要に応じて社員からヒアリングあるいはアンケート

➣ハラスメント防止規程の整備・相談窓口の設置

 相談対応のフロー、相談対応マニュアルの整備、担当職員へのレク

➣社員の行動指針を整備

 パワーハラスメントに当たる言動、パワーハラスメントには当たらない指導を整理

 パワーハラスメントを受けたあるいは見た・聞いた場合の対応の在り方整理

➣教育・啓発活動契約の企画・実施

 トップの宣言の策定、研修の企画・実施、社員への情報発信計画作成・情報発信

➣実施後のフォロー、社員アンケートの実施

※このような取り組みを、3か月から4か月で仕組みづくりを行い、その後に研修や情報発信

 を行うこととしています。会社の総務、人事担当と協議を重ねて実施することでノウハウの

 蓄積や理解も進むことを期待しています。

◆相談したいということがありましたらご連絡を

 私が関係している会社との取り組みについてご紹介しましたが、すでに昨年から取り組んで おり、社員研修や情報発信の段階にあり毎月の顧問契約の面談で実施状況をフォローしている会社もあります。顧問契約の会社以外でもハラスメント防止の仕組みづくりの支援について短期的に対応させていただきますので、お問い合わせは次の連絡先にお願いします。

 (電話)080-6302-5051

 (メール)kageyama-sr@hi3.enjoy.ne.jp

 ◆ハラスメントの仕組みづくり事業が県からの補助金の対象に

 私が関係している会社からの依頼で、ハラスメントの仕組みづくり(従業員の行動指針・相談対応マニュアルの作成、従業員研修、従業員への情報発信支援など)を行うこととしていますが、これらの業務が鳥取県の商工労働部働き方改革推進支援センターの補助金の補助対象となる見込みです。補助率2分の1です。

 また、同様の助成制度は島根県にもあるようです。

 このような研修や職場環境改善の事業について幅広く補助金が利用できそうなので、ハラスメント防止に限らず活用することが考えられますね。

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