◆その人との出会い
私が鳥取県職員在職時にいろいろな方と出会いましたが、今思い出してみるとあの人はすごい人ではと思った人が頭に浮かびました。その人との出会いは、20年以上前になるかと思いますが、○○さんは鳥取県東京事務所で運転手の仕事をされていました。とても人懐っこい笑顔で、初対面でも冗談を言って柔らかい物腰でした。その時には、あまり話はしなかったと思いますが、生き生きと仕事をされているという感じでした。
◆県庁での出会い
その次に出合ったのが、県庁で私はどの課にいたのか定かではありませんが、○○さんは情報政策課というところにおられ、運転士から転職され事務職になって、インターネットや情報ハイウェイのこととか、庁内ランとかに精通され、とても活躍されていました。
新しい分野の専門知識を自分で勉強され、積極的に提案され自ら実行に移し、大きな成果を上げておられ、そのことを熱く語っておられました。自分は、その分野について良く分からないので、何とも言えませんでしたが、転職されて間がないのに、周りの県職員の方を凌駕する仕事をされていたと思います。
◆同じ課に配属されて
その方とは同じ課にも配属されたことがありました。健康政策課という課で、その課では、今コロナで大変な感染症対策や、健康づくり、自殺対策、など様々な仕事をしていましたが、「がん対策」がその当時脚光を浴びており、県の重要施策になっておりました。
○○さんは、がん対策の担当でまさにがん対策のエース的存在でした。がんにもいろいろありますが、様々ながんに精通され、がん検診の手法について新たな提案をされいろいろな施策が実行に移されていました。
更に、シンポジウムの企画にも携わり、その当時日本のがん教育の分野ではトップと思われる方を招いでシンポジウムを開催され、その方の講演はとても分かりやすく、今までの常識を覆すような気づきがたくさんありました。
さらに、鳥取県のがん対策と企業活動の連携について、アフラックと連携協定を締結して企業ががん対策についてPRする流れを作られていました。
更に、鳥取県医師会との会議もたくさんあるのですが、その当時の医師会長はとても気難しい方で、協議をするのに気を遣う方でしたが、その方の信頼を得て、○○さんでないと話をしない、会議での説明は○○さんからしてくれと、かなり厚い信頼を得られていました。
◆どこがほかの人とは違うのか
○○さんのどこがほかの人とは違うのか私は良く分析しておりませんが、仕事ぶりを見ていると、パソコンで文章を打つ様子は、とてもゆっくりで淡々としていました。それでいて、無駄がない。スピード感は感じませんが、ゆっくりとして止まりません。
自分の仕事の仕方はというと、今でもそうですが、とても無駄が多い。頭の中にいろいろなことが浮かんではそのことを調べてみたり、あちこち寄り道をして、仕事のスピードも気が乗ればバタバタとやってみたり、気が乗らなかったら時間つぶしをしていたりで、結局は何事も片付いていない。といったところでした。
人生は超長距離走を走っているので、短期的にだ―――っと走っても続かない。ずっと走り続けられるスピードを維持することが結局は遠くに行けるということかと思いました。ほかにもその方にはたくさん人とは違うことがあると思いますが、その点は他の人と違うと思いました。
◆家庭生活についてはどうか
その方と話をしていて、毎週日曜日には家族で自分の実家がある八頭郡の家に行っていると言われていました。実家でご飯を食べて帰るのが習慣になっているということでした。単に仕事人間ではなく、自分の人生にとって何が一番大事なのかということもしっかり押さえておられるのではと思いました。自分の親を大切にする。家族とのコミュニケーションがしっかりできていて、家族でまとまって行動している。嫁と姑の関係も良好。とても素晴らしいことだと思いました。
◆自分に活かせることは?
今の自分と○○さんでは、大きなギャップがあると思います。仕事のやり方、成果の出し方、家族との接し方、人間関係の構築、などなど。
そのギャップを少しでも目標に近づけるために、やれる一番小さなことを、今日一つやってみたい。いや、やります。やった。という一日をこつことと続けることかと思います。
○○さんのように、ゆっくりゆっくり淡々と。