令和4年4月からパワハラ対応が会社の義務に!

◆パワーハラスメント対応が義務化といわれてもどこが問題なのか

・職場でのパワーハラスメントに関する相談は都道府県労働局に寄せられますが、その件数はここ10年の推移をみると相談件数に占める割合は2倍になり、件数は3倍に増えており、この傾向は継続しています。相談件数の4分の1はパワーハラスメントに関する相談で、相談の中でも一番多くなっています。

・パワーハラスメントを受けている労働者は、職場に行くことが苦痛になりメンタル疾患になったりすることも多く、会社を辞めざるを得なくなります。また、会社に対して損害賠償を請求する事例もあります。

・パワーハラスメントは当事者だけの問題ではなく、大事な労働者が健康を害したり辞めてしまえば大きな損失です。また、職場全体の雰囲気も悪くなり、会社に対して損害賠償請求があれば会社としても対応に追われる共に大きなイメージダウンになります。

◆法律で義務化・・会社は何をすればよいのか

・事業主の義務は国の指針に示されていますが、大まかにいえば次の4つです。

①就業規則にパワーハラスメントの定義、パワーハラスメント行為を禁止すること。パワーハラスメントをした場合懲戒処分に当たることを規定すること。それを従業員に周知すること。

②相談窓口を設置すること。パワーハラスメントの被害者や周りの従業員が相談できるように体制を整備すること。それを従業員に周知すること。

③パワーハラスメント事案が発生したときに、迅速かつ適切に対応すること。具体的には、被害者から相談があった場合、パワーハラスメントがあったのかなかったのか加害者からも聞取りをして、ハラスメントがあったのかなかったのか確認すること。ハラスメントが確認できた場合あるいは確認できなかった場合でも、被害や不安を除くように配置換えを行ったりするとともに、加害者に対して処分を行う。さらに、再発防止のため従業員の研修を行うなど。

④従業員の研修、教育を行い、何がパワハラで何がパワハラでないのか理解してもらい、パワーハラスメントらしき言動があったときに注意できる会社にすることです。

◆何もしないとどうなるのか・・今のところ問題も起きていないし

・会社が何も対応していなくて、パワーハラスメント事案が発生した場合、会社としての責任を問われることがあります。

・パワーハラスメント行為により従業員がメンタル疾患になり会社を辞めざるを得なくなったとします。この場合、被害者から会社に対して、パワハラ防止について適切な対応をしなかったことで安全配慮義務違反、加害者を雇っていることによる使用者責任を問われて、損害賠償請求をさえれることがあります。

◆パワハラ、パワハラと言いすぎると指導できないのでは

・昔もパワハラ行為はありました。しかしながら、近年の人権意識の高まりで少々のパワハラは当たり前ではすまなくなっています。高齢社員と若い社員の世代間の意識のギャップも存在すると思います。

・仕事をきちんと進めるために上司は指導すべきことはきちんと指導して、叱責することも必要です。その責任をきちんと果たすためには、どのような言動がパワハラになりどのような叱責の仕方をすればパワハラにならないの従業員が理解することが必要です。

・一般的には必要な指導であっても、相手の人格を傷つけるような言動はパワハラになります。長時間にわたる執拗な叱責や、周りに多くの従業員がいる中でプライドを傷つけるような大声での叱責もパワハラになりやすい行為と言えます。

・上司から部下に対して一方的なコミュニケーションになっている場合は、パワハラになりやすいとも言えます。双方向のコミュニケーションになるように相手も気持ちや意見も聞きながら指導を行うことを心掛けるべきと思います。

◆義務になり対応が必要は理解した、でも忙しくてそれどころでは

・日頃の業務で忙しくて、法律の専門的なことを読み込んで就業規則の改正もすることはなかなか大変です。簡単にはできないということもあると思います。

・その場合は、専門家である社会保険労務士に相談していただくことをお勧めします。

・当事務所では就業規則の改正や社員研修にも対応しております。

・いきなり、社会保険労務士事務所に相談するのはハードルが高いと思われる場合は、働き方改革サポートセンター鳥取に相談していただくと、無料で社会保険労務士を派遣して相談に対応することも行っております。

◆従業員が安心して働ける職場にするために

ぜひ、社長が率先してパワハラすメントを許さないと宣言して、行動してください。

影山事務所にご相談いただけば、無料で相談に応じます。

本格的な支援をご希望であれば、働き方改革サポートセンター鳥取の専門家派遣をご利用いただくと年間6回まで無料相談ができます。

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